文月です。

今回は前回の「ハリー・ポッターと賢者の石」に引き続き、第2巻「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の読書感想文。

昨年度ホグワーツで無事1年を終えたハリーが、また新たな試練に挑みます。
また、後に重要となってくる新たなキャラクターたちが続々と登場し、そして読者の知らぬ間に大きな伏線の一つが張られる、大切な巻です。

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~「ハリー・ポッターと秘密の部屋」とっても簡単なあらすじ~

夏休みのため、ホグワーツからプリペット通りにある叔父・叔母の家に帰ってきたハリー。
理解のない一家により、ハリーは相変わらず虐待を受けている。
そんな時、ハリーのもとへひとりの小さな、おかしな生き物がやってきた。
「ハリー・ポッターは、ホグワーツに戻ってはなりません!」
ドビーと名乗ったその生き物はキーキー声でそう言って、ハリーに何度も今学期のホグワーツは危険なのだと訴えた。
それでも、ハリーは学校に戻らないわけにはいかない。
大親友のロンと、その兄たちにプリペット通りから救出されたハリーだったが、今度は9と4分の3番線への入口が閉じてしまい…。
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ここから先はネタバレばっかりしますので、これから読むよー!という方はご注意ください!
っしゃあ!!ネタバレバッチ来い!!っていう方はぜひどうぞ!

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この「秘密の部屋」で、ロン、フレッド&ジョージ、パーシーに加え、前作「賢者の石」ではほとんどカメオ出演程度だったウィーズリー一家が初めて名前付きでガッツリ登場します。
それも、全員が全員重要人物!!

まずは、怒り狂ったサーベルタイガーのようにご登場のモリ―・ウィーズリー。
言わずもがな、ロンのママです。

家事の魔法とお料理がとびっきり上手で、愛情たっぷりのモリ―ママ。
第2巻以降は、ハリーにとっても母のような存在になってくれます。
しかし注目しなくてはならないのは、彼女の家事魔法の完璧さは、モリ―自身の磨き上げられた高度な魔法、つまり魔女としての実力によって成り立っているということ。

この事実が、後々効いてくるのです。

そして徹夜仕事から帰ってきたため、おっそろしく疲れ果てて登場するアーサー・ウィーズリー。
ロンのパパですね。
魔法省に勤める、いわば国家公務員。
大変なマグル(非魔法族)好きで、純血の魔法族でありながらマグルやマグル生まれの者たちに対する差別に強く反対する、先進的な考えの持ち主です。

マルフォイ家のように”純血主義”にしがみついていれば、(無意味な)優越感の中で安心していられる身分である人。
しかしアーサーはその「優越感」の無意味さをまっすぐに受け止め、そしてその無意味な優越感が生み出す差別とその被害を良しとせずにはっきり「否」を明言します。
なんと賢く、強く、勇敢な人でしょうか!!

まさにミスター・グリフィンドール
その息子であるロンが、友を護るために自己犠牲を厭わない、勇敢な男になったのも頷けます。
(さりげなく妻のモリ―に今でもベタ惚れなのが滲み出ているあたりもポイント高い!)

そしてそして!
今巻の最重要人物であり、以降、重要な役割を果たしていくこととなる少女。
ジニー・ウィーズリー!!
恋にはシャイだけれど、活発で積極的、勇敢で茶目っ気たっぷりの絶世の美少女です。
そして何より、とんでもなく強力で鮮やかなコウモリ鼻糞の呪いの使い手。(どんな呪いなんだ…)
あまりに呪いが見事すぎて、からかってきた同級生に呪いをかけてやったら一周まわって逆に先生に褒められてしまうというものすごさらしいです。

そんな貧しくとも世界一素敵で愉快な大家族とともに、ハリーの新学期が幕を開けます。

第2巻でハリーが対峙するのは、もちろんヴォルデモート卿。
しかし確かにヴォルデモート卿でありながら本人ではないその謎に満ちた存在がダンブルドア校長とハリーに知れたことで、物語の”裏側”が大きく動き出すのです。

そしてもう一つ。
「ドビー」という象徴的なハウスエルフの登場によって、ハーマイオニーが魔法界に存在する不当な差別と搾取に気付きます。
レイブンクローの生徒にも劣らない頭脳と、差別に断固として声を上げる胆力、そしてアーサー・ウィーズリーと同じく”自分の優位性”にしがみつかない勇敢さを備えた彼女だからこそ踏み出せたその一歩が、後々彼らを、そして世界を救うことになるのです。

あまり詳しくストーリーに言及すると、第7巻にも影響するネタバレばっかり出てしまうので今回の読書感想文はこのへんで!

(文月)