ご無沙汰しております。
文月です。

安全の観点から「こえとどけ」の更新を一時ストップしている中ですが、大宮さんに声を掛けていただき、ワニズふたり芝居 を観劇して参りました。

30分の二人芝居が2本で1セット、計1時間ほどの公演です。
two piecesがお邪魔した5月6日(日)の昼公演は、「突っ込みたい!」「あなたがどんなに捜していても」の2本。
2本ともまったく毛色の違う作品で、それぞれの魅力がありました ^^

ネタバレして良いものかどうか迷ったのですが、文月の場合ネタバレせずに感想を書くという高等技術を持ち合わせていないので普通にネタバレします
めっちゃします。
「ネタバレNGよ!」という方は閲覧にご注意ください~!

 * * *


1本目「突っ込みたい!」
「お笑い」というキーワードを「お笑い」のネタで盛り上げて、「お笑い」のお決まりでオチをつけるマトリョーシカみたいな構成が面白かったです。

最初は喋るのも拒否、ネタを読まされてもおずおずと相手を窺いながらボソボソ気味に棒読みしていた引きこもり君が、自分のネタになった途端驚愕の演技力と第三舞台ばりの勢いを見せつけてくるの草w
演者さんの振り幅すごいな???(訳:他の役を演じている姿も見てみたいです大宮さん情報ヨロ)

そして彼を引っ張り出そうとするなんでも屋が、「お笑いが好き」と聞いた瞬間あからさまにテンション上がってるのがなんか可愛い(笑)
声の高低や大きさにはほとんど変化がないのに、あんなにも感情の変化が分かるのはなんでなんだ…。
不思議すぎる。

ラストがまさに定型の”お約束”を踏んでいるのが「あー!オチがついた!」というかんじにストーンと落ちていて最高でした。
あそこからまた新たな闘いが始まるんだろうな…。フフッw


2本目「あなたがどんなに捜していても」
ペットにまつわるお話。
自分自身に17歳で天寿を全うするまで一緒にいた愛犬たちがいるからか、こちらはボロ泣きでした。

真理子さんのしたことは、罪深い。
彼女は決して悪人ではないけれど、それでも。
ちゃんと知っていたのに。ミャーコが自分よりもずっと孤独だと、棄てられた過去があると、ちゃんと知っていたのに。
飼い主が出掛けようとするたびに「また捨てられるかもしれない」と恐怖に駆られて必死に追いかけてこようとする、そんな時期が、棄てられた経験を持つミャーコならきっとあったはずなのに。
それを飼い主である真理子さんが見ていないはずがないのに。

だから一飼い主として、真理子さんのしたことは絶対に許せない。
彼女がどんなに反省していようと後悔していようと、絶対に許せない。
彼女自身こそが限界まで追い詰められて、必死であったと分かっていても。

だからこそ、あの希望と厳しく深い愛情に溢れたラストがこの上なく温かく、希望に溢れて見えました。
ずっと慈しんでいたと思っていた存在から親の愛にも似た無償の愛を受けて、あの真夜中の公園から、真理子さんはきっと今度こそ立ち上がれるんだと思います。

美弥子役の方の、どこか浮世離れした不可思議な空気感。
そして後半で見せる苦し気な感情と、慈愛に満ちた女神のような雰囲気がとても素敵でした。

それから弱くて、依存心が強くて、でも愛猫を想う気持ちは本物で、ふてぶてしい態度の後ろに後悔と深い傷を隠した真理子を鮮やかに表現していた演者さん、本当に本当に素晴らしかったです!

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久々の劇場での観劇、とても楽しかったです。
素敵な役者さんたちを発見できて幸せ~♡