NT notes

神奈川の朗読劇ユニットTwo Piecesのメンバーが綴る日誌的なもの

■ただいま充電中、少しお待ちを

2019年03月

劇団四季 「ライオンキング」in大井町

文月です。

20周年を迎えた劇団四季「ライオンキング」を久しぶりに観てきました!!
何度鑑賞しても心震える、本当に素敵な作品ですよね…。

オープニングのthe circle of lifeで必ず号泣してしまうのですが、私だけですか?

言いたいことがたくさんありすぎてもう役者さん一人一人、演出ひとつひとつ、音楽一曲一曲について事細かに書いていきたいくらいなのですが、そうすると記事の長さがどえらいことになるので特に心に残ったポイントのうち、あまりネタバレしすぎずに話せる点(全くネタバレしないのは無理)の、言語化できる部分についてだけ書いていきます。

とはいえ容赦なくネタバレしていますので、これから観るよーー!!という方はご注意くださいませ♡

今回のポイントは…

1.王道の勧善懲悪の物語として知られてるけど実はものすごく深いぞ!!
2.ザズの深い深い一言に涙
3.スカ―さんに惚れる5秒前
4.同じ曲なのに印象が違う!!

の4点でお送りします。

まず1.勧善懲悪の分かりやすいストーリーに込められた、深いメインテーマ

ライオンキングのテーマはずばり、「the circle of life」。
”生命の輪”、”生命は続いていく”という意味ですが、同時に”人生は続いていく”という意味にも読むことができますね。

一幕の中でムファサが息子シンバに「お父さんはずっと傍にいてくれるよね?」と問われたとき、彼はしばらくの沈黙の後、「歴代の王たちは星となってお前を見守っている。」と語ります。「そこに儂もいるだろう」、とも。はい、ご存じ「お前のなかに生きている」です。
名曲です。
ムファサは生命はいつか必ず終わりが来ることをしっかりと理解していて、そのことを恐れつつも受け入れているんですね。
勇敢な王様です。
”恐れない”ことを「勇敢」と勘違いしてしまっている幼いシンバとの対比がまた素晴らしい。
よく漫画に出てくる”永遠の命”に異様にこだわって悪事を働く悪役キャラは彼の爪の垢を煎じて飲めばいいんだ。

ここで、ムファサはシンバに暗にこう教えているのでしょう。
「護ってくれる存在(ここではムファサ)が居なくなっても、たとえ独りぼっちになっても、お前の人生は続いていく。それでも生きなければならないのだ。けれどどうしても孤独で、人生が重くなったときは自分を愛する存在が確かにあることを思い出しなさい」と。

そして、その「お前のなかに生きている」を成長したシンバに歌いかけて彼にムファサの言葉を思いださせるのが祈祷師のラフィキです。
シンバとラフィキの、噛み合わないながらも核心を突く会話がこちら。

シンバ 「(僕の後ろをついてくるのを)やめてくれ!!」
ラフィキ「やめられない。人生は続いてゆく。」

ここでシンバに、彼を捕らえる「過去」というものとの対し方を諭すのもまたラフィキなのですが、その言葉はぜひ劇場で聴いていただきたく(・∀・)


2.ザズの深い深い一言に涙
初見のときと違うこと言ってる!という部分のほかに、感覚的に「あ、これアドリブだな?」と思う台詞が見受けられた(自分が役者・演出家をしているからなのかもしれませんが)のが、王の執事を務めるサイチョウのザズ。

特にオリジナルのアニメーションにも存在するシーンでのアドリブ(たぶん)がこの回ではキレッキレで、出た瞬間会場がドッカーン!!!!
演目にも合いすぎているしザズのその時の状況も合いすぎているし「よくそれ思いついたな!?!?」というのもあるしで腹筋にダメージがくるほど笑わせてもらいました。

ザズ特有の振り切ったコミカルさが絶妙に面白く、ボケもツッコミも最高!
その分時折見せるシリアスさがとても重厚で、最後の「陛下…」には涙がにじみました。

ザズは少なくともムファサの前の王の時代から王家に仕えていて、今は偉大な王となったムファサの子ども時代も見ています。
だからやんちゃなシンバやナラを叱ったりうんざりしたりすることもありつつ、シンバが将来はちゃんと偉大な王となれる素質や器を持っていることを知っているのでしょう。
だからこそなんだかんだシンバを愛情深く見守っているし、たくましい若者となったシンバが帰ってきたときに心からの喜びと敬意を持って迎えるのだと思います。

その深い深い喜びと敬愛、まだ未熟な若き王をしっかりと支えていこうという決意が全部こめられたあの一言、「陛下」という静かな呼びかけだったのでしょう。

最後に生まれていたシンバとナラの子どもにも、きっとザズ―はまた一幕のように振り回されるのでしょう。
それもまた、彼の喜びなのだろうと思います。


3.スカ―様に惚れる5秒前!!
アニメーションよりも少しコミカルさがプラスされて愛嬌ある存在となっている四季版スカ―。
シリアスなシーンでの格好良さとコミカルさ、そして実の兄を亡き者にしてまで彼が王の座を欲しがった本当の理由を垣間見せる悲しい姿がいかにも人間くさく、引き込まれずにいられませんでした。

彼のしたことは決して許されるようなことではありません。
それに、自分が窮地に立たされると仲間(と呼んで良いのかはわかりませんが)に責任をなすりつける弱さも見ていて「うわっ…」と思うものがあります。
けれどそんな彼の卑怯さも弱さも、きっと「愛情が欲しい」という切実な気持ち、愛(とくに両親からの)に飢える苦しみからきていることを考えれば、私にはどうしても彼を憎みきることができないのです。
実際、スカ―に従っていた”仲間”-ハイエナたちだって彼を慕っていたわけではなく、スカ―の子分ぶることで手に入る”うまみ”が目的だったわけですから、スカ―に庇ってもらえないのは当然といえば当然。「食い物(見返り)くれれば愛してやる」なんて、愛情(友情)ではないですよね。
ハイエナたちのそんな態度もまた、きっとスカ―の飢えに拍車をかけていたのでしょう。

それから、スカ―といえば印象的だったのが脚の具合です。
一幕ではほとんどのシーンで杖をつき、不自由そうに歩いています。
けれど王となった2幕では彼は杖を持っておらず、割と普通に歩いています。
ムファサを欺くために実際以上に自分を弱そうに見せていたと取ることもできますが、私にはどちらかといえば、(ムファサ自身にはそういったつもりはなくとも)自分が欲しかった愛を独り占めしていた兄、存在するだけで自分の惨めさが胸を刺す、そんな存在がいなくなったことである種の解放感のようなものが彼にもたらされたように思えました。

王の器はなくとも、知恵があって愛嬌のあるスカ―。
もし幼い頃から十分に愛情を注がれていたら、溢れるほどの愛情に包まれてムファサと仲睦まじく育っていたら、もしかしたらシンバをかわいがり、「あ、ザズ―いいよ俺が面倒みるから。危ないところに行くときは俺のほうが向いてるし。」とか言いながらシンバの冒険に付き合ってくれるような良き叔父さんになったのかもしれない…。
そう思うと、一層彼が悲しく、愛おしく思えるのです。


4.同じ曲なのに印象がまるで違う!!2つの「the circle of life」
「the circle of life」に始まり、the circle of life」に終わる。
ライオンキングの特徴のひとつで、メインテーマを表す演出のひとつですね。

最初に偉大な王であるムファサが治めるプライド・ランドで歌われる「the circle of life」は、完璧に調和のとれた美しく平和な世界を感じさせます。
まさに神々しい、威厳と生命の尊厳の重みに満ちた「the circle of life」。

対してラストシーンで歌われる「the circle of life」。
新王シンバがこれから治めて
いくプライド・ランドで歌われる「the circle of life」は、軽やかで、希望に満ちた明るい印象を受けます。
きっとスカ―が治めた闇の時代が終わり、長い長い夜が明けた喜びと再生への希望にあふれた動物たちの気持ちが表れているのだと思いますが、私には同時に、「ムファサの時代」と「シンバの時代」の違いでもあるように思えました。

シンバはムファサと同じように王国の平和を守るために王の役目を果たすでしょうが、しかしムファサはムファサ。シンバはシンバです。

シンバはきっと、ムファサとは違う人生を歩んだ自分自身の経験と考えから、ムファサをリスペクトしつつも自分なりの良い政治行っていくのではないかと思います。

そこにはきっと、大親友であり恩人でもあるティモンやプンバァの考え方の良いところなんかも反映されているでしょうし、王国の外にある広い世界を見てきた彼だからこそできるやり方というものもあるでしょう。その中にはムファサが見たら「えぇ!?」と思うようなこともあるかもしれません。
でも、それはシンバのやり方。シンバはムファサのコピーではないのだから、それで良いのです。

それはとても素晴らしいことで、きっと彼のそんな姿を、星となったムファサが優しく見守っているのだろうと思います。


絞ったはずがだいぶ長くなってしまいましたがw、文月のライオンキング感想はこんなかんじでした。
機会に恵まれれば、また何度でも観たい!!
偉大な20年ロングラン作品の実力を肌で感じることができました。

文月

D.M.C旗揚げ20周年記念公演「Switch」終了!その2

文月です。


「Switch」終了から今日でちょうど一週間となります。
早いねぇ。うん、早い。

みんなで仕込みをしたのも、お客様の笑い声に幕の裏でガッツポーズし合ったのも、打ち上げでみんなで笑いあったのも、つい昨日のようです。

今回は「その1」で書ききれなかった、文月が演じさせていただいた2つのシーンについて。

まず、過去最大級の台風のなか犬を迎えることとなった家族のお話。
本番中、私は毎回わんこの名前が何になるのかが楽しみで仕方ありませんでしたw
大宮さんともりゆーさんの発想力、本当にすごいです!

そしてこのお話で唯一「人間」ではない役を演じた友野さん!
家族たちの言葉はあまり分からなくても(犬ですから)彼らの発する感情や雰囲気を感じ取って表情や動きが変化していく様子を演じていられました。それがいかにも犬らしくて、犬を飼っていたことのある私にとっては特に大きな説得力となっていました。

なお、未だにスーパーでみたらし団子を見るとうっかり買いそうになりますw

そして大宮さんと2人で演じた精神科医と患者のお話。
大宮さんと「朗読」ではなく「演劇」として舞台上で対峙するのは約2年ぶりです。
その時とは二人ともキャラクター性も立ち位置もちがうのですが、なんだか懐かしいような、新鮮なような不思議な感覚でした。
他のシーンよりもさらに座組のメンバーに意見やアドバイスをもらうことの多かったシーンで、みなさんにたくさんたくさん力を貸していただきました。
みなさん、ありがとうございました!

打ち上げはシルクロード舞踏館近くの熊猫飯店。
箸置きが相変わらずのパンd...
IMG01377
たれぱん大行進!!!

ここのね…黒酢豚が美味しいんですよ、ホント。

そんなわけで、文月の「Switch」振り返り後編でした!

文月

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