文月です。

だいぶ久々になってしまいましたが、またまた名作シリーズです。

タイトルで予想がついた方、おめでとうございます。
かなりディープなDヲタです。
2022年を一緒にワクワクして待ちましょう。

今回読んだのは、ディズニーが本気で「愛」を描き切った名作。
劇団四季ミュージカルとしても絶大な人気を誇ったプリンセス・ストーリー。

ボーモン夫人による童話、「美女と野獣」です。

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「美女と野獣」
3人の息子と3人の娘に恵まれた、とても裕福な商人。
しかし取り引きの荷が失われたことで、一気に貧しくなってしまう。
田舎に引っ越してつましく暮らしていた家族のもとへ、「荷が無事に着いた」という連絡が。
子どもたちに土産の希望を聞くと、上の娘たちはドレスや髪飾りや、あらゆる豪華なものをねだった。
しかし末娘のベルは、お金のかかるものなど一つも欲しがらず
「バラが咲いていたら1輪摘んできてください」
とだけ言った。
しかしそのささやかな願いが、思いがけない事件を引き起こしてしまう…。

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こちらの「美女と野獣」は、ボーモン夫人の手による童話集の一つです。
ディズニー版の「美女と野獣」は、どうやら原作となる「美女と野獣」に同じくボーモン夫人による童話「シェリー王子の物語」がミックスされたもののようです。
(「美女と野獣」というお話が一番最初に書籍として世に出たのは、ヴィルヌーヴ夫人によるものらしいですが)

ごく短い童話集ですが、どれもこれもとても幻想的な魅力に満ちていて、そして共感できるお話ばかりです。
子どもにも良いですが、大人になってから読むほうが共感は深いかもしれません。

童話集の中に書かれたどのお話にも共通して語られているのは「人にとって一番大切なのは人間性の美しさである」ということ。
そしてそういった美徳は、人生の中で自分と闘い、苦しみ、障害を乗り越えて体得するほかないということ。
どんなにお金があっても、どんなに見た目が良くても、どんなに頭が良くても、自制心や優しさ、理性や謙虚さ、愛情深さといった美徳が無ければ”心の醜さ”という不幸を抱えて生きるという地獄が待っているのだと、ボーモン夫人が描く童話たちは教えてくれます。

イラッとした日に一話ずつゆっくり読むと、穏やかで優しい気持ちになれる素敵な作品集でした^^